日本株だけでなく、中国株などの外国株を購入したい場合は、その外国株の取扱いをしている証券会社で口座を開かないといけません。
今回は、中国株の取扱いをしているお勧めの証券会社を紹介していきたいと思います。
中国株に投資をしたい方は、中国株の取り扱いがある証券会社で口座開設を行いましょう。
中国株取扱い証券会社のグループ分け
中国株を取扱っている証券会社は何社かあるのですが、それぞれに個性があり、どの証券会社がいいのかはご自身の使い勝手を考慮しながら考えてみてください。いくつかの証券会社を組み合わせて口座開設する事で、各社のメリットとデメリットをカバーする事ができるので、複数の証券会社で口座開設しておくのも一つの方法だと思います。
中国株を取扱っている証券会社をグループ分けすると、大きく3つのグループに分ける事ができます。
- ネット証券会社
- 中国株に強い証券会社
- 大手証券会社
それぞれのグループごとに、各社の特色をご紹介していきたいと思います。
ネット証券会社
ネット証券会社は、基本的には実店舗を持たずにネットで株式売買や手続き等を完結させている証券会社です。店舗を持っていないため、人件費や店舗運営コストが掛からない事から、その分だけ手数料が安くなっています。コストが少なくて済むネット証券での株式売買は使い慣れれば慣れるほど、顧客にとっては利便性のよい証券会社になります。
ネットでの使用を基本としているので、不明な点等があればサイトをみれば分かりやすく説明がされており、初心者でも使いやすい造りとなっています。
では、お勧めの証券会社をご紹介していきたいと思います。
「楽天証券」
サイト内の説明も丁寧にされており分かりやすい証券会社です。チャットなどで直接リアルタイムに質問する事も出来るので初心者でもスムーズに取引できると思います。香港市場だけでなく上海A株の購入も一部可能となっており、幅広い銘柄に投資をする事ができます。
「手数料」
20万円まで 550円
20万円超~200万円未満 約定代金の0.275%
200万円以上 5500円
「為替取引手数料」
香港株±15銭 上海株±20銭
「取扱い銘柄数」
香港市場 1260銘柄 上海A株 286銘柄
「決済方法」
円決済のみ
「NISA口座利用」
中国株での利用可能
「SBI証券」
中国株を含む外国株の種類が多く、人気の米国株やベトナム、韓国、インドネシア、マレーシアなどのアジアの国々にも投資をする事ができる多様性に富んだ証券会社です。中国株を含むアジアの成長企業に投資をしたい人には選択肢が豊富な魅力的な証券会社です。
「手数料」
基本手数料 約定代金の0.286%
最低手数料 51.7香港ドル
上限手数料 517香港ドル
「為替取引手数料」
香港市場 ±15銭
「取扱い銘柄数」
香港市場 1320銘柄
「決済方法」
円決済・外貨決済の両方可能
「NISA口座の利用」
中国株での利用可能
「マネックス証券」
ネット証券の中では最も銘柄数が多く、新規の銘柄の取扱いにも積極的です。新しい小型株やIPOしたばかりの企業等の取扱いが速く、ニッチな銘柄に興味がある人には有難い証券会社です。
「手数料」
基本手数料 約定金額の0.275%
最低手数料 49.5香港ドル
最大手数料 495香港ドル
「為替取引手数料」
香港市場 ±15銭
「取扱い銘柄数」
香港市場 2000銘柄
「決済方法」
円決済・外貨決済の両方可能
「NISA口座の利用」
中国株での利用可能
中国株に強い証券会社
昔から中国株の取扱いをしていた証券会社で、中国株取扱いの歴史が長い分だけ情報の収集や独自のルートなどを保有しており、中国株を深く知りたい人には非常に有難い証券会社です。長年にわたる中国株業務で培ったノウハウと専門知識を持つ人材が充実しており、独自の強みを有している証券会社です。
「内藤証券」
中国株の取扱い銘柄数は群を抜いて多いです。本土市場(上海A株・B株や深センA株・B株)にも投資が可能となっている数少ない証券会社であり、本土市場に投資を検討している投資家には必須の証券会社です。独自のコネクションによって、中国本土や香港の証券会社との連絡の為の様々な通信手段を確保しており、過去には台湾地震の影響で海底ケーブルが損傷して日本の証券会社の多くがネット注文が困難になった際にも、現地の証券会社に電話で直接注文を流して売買を成立させるなどの強い実績があります。
「手数料」
基本手数料(約定金額に対して)
香港市場 0.38785% 上海市場 0.55% 深セン市場 0.55%
最低手数料 50香港ドル
「別途国内手数料が必要」
国内手数料 売買代金の0.44%~(金額によって変動)
国内最低手数料 550円
「為替取引手数料」
香港市場 ±15銭 上海市場 ±20銭 深セン市場 ±20銭
「取扱い銘柄数」
香港市場 2600銘柄(ほぼ全銘柄)
上海市場 1050銘柄(上海・香港相互取引対象銘柄のほぼ全銘柄)
深セン市場 1000銘柄(深セン・香港相互取引対象銘柄のほぼ全銘柄)
「決済方法」
円決済のみ
「NISA口座の利用」
中国株の利用可能
大手証券会社
大手証券の強みは全国に店舗網があることです。主要都市には大手証券会社であればどこでも自社の店舗があると思います。気軽に対面で投資の相談が出来る事と、自分の担当者を付けてもらう事も出来るので個別に投資相談に乗ってもらう事も出来ます。その反面、やはり人件費等のコストが掛かる事から売買手数料などはネット証券などと比べると高い傾向になります。
ネットだけでなくリアルな社会での繋がりが出来るというメリットがある反面、それに伴うコストが必要となる事から手数料等にそれが反映されているというデメリットがあります。
「野村証券」
証券業界最大手の企業です。最大手ならではの情報量の豊富さと専門のアナリストを抱えている質の高さがあります。また日本株の取引においては主幹事証券会社となる事が多く、IPO(新規上場)の取扱いも多い事から中国株以外にも日本株の取り引きも行う場合にはIPOのチャンスが広がります。
「手数料」
国内手数料と海外手数料の両方が必要。店頭注文・ネット注文によっても手数料設定が異なり、多種多様な手数料体系となっている事から、証券会社のサイトにて確認する必要がある。
「取扱い銘柄数」
香港市場 230銘柄
「決済方法」
円決算・外貨決済の両方可能
「NISA口座の利用」
中国株のNISA口座利用は対象外
「大和証券」
充実した店舗網があり、各支店にて積極的にセミナーも開催されているので投資情報に触れる機会も多い。大手証券ならではの情報量と専門家の在籍、主幹事になれる事になるIPO(日本株)の取扱いの多さなど、中国株以外にもメリットがある証券会社。
「手数料」
国内手数料と海外手数料の両方が必要。店頭注文・ネット注文によっても手数料設定が異なり、多種多様な手数料体系となっている事から、証券会社のサイトにて確認する必要がある。
「取扱い銘柄数」
香港市場 800銘柄
「決済方法」
円決算・外貨決済の両方可能
「NISA口座の利用」
中国株のNISA口座利用は店頭取引時のみ対応
「SMBC日興証券」
日本の3大証券会社の1つ。SMBC(三井住友)グループの一員として安定した企業運営をしている証券会社。総合金融グループとしての豊富な情報が魅力。独自トレードシステムでトレードしやすいシステムを提供している。
「手数料」
国内手数料と海外手数料の両方が必要。店頭注文・ネット注文によっても手数料設定が異なり、多種多様な手数料体系となっている事から、証券会社のサイトにて確認する必要がある。
「取扱い銘柄数」
香港市場 450銘柄(ネット注文は180銘柄)
「決済方法」
外貨決済のみ(円決算はなし)
「NISA口座の利用」
中国株の利用可能
各証券会社の比較
それぞれ個別に各証券会社をみてきましたが、分かりやすいようにそれぞれの証券会社を同じ項目で比較してみましょう。
手数料比較 | 基本手数料(香港市場) | 最低手数料 | 最大手数料 |
---|---|---|---|
楽天証券 | 0.275%(日本円) | 550円 | 5500円 |
SBI証券 | 0.286%(香港ドル) | 51.7香港ドル | 517香港ドル |
マネックス証券 | 0.275%(香港ドル) | 49.5香港ドル | 495香港ドル |
内藤証券 | 0.38785%(香港ドル) 別途国内手数料必要 | 50香港ドル | 特になし |
野村證券 | 国内・海外手数料両方が必要 店頭・ネット取引にて異なる | 特になし | 特になし |
大和証券 | 国内・海外手数料両方が必要 店頭・ネット取引にて異なる | 特になし | 特になし |
SMBC日興証券 | 国内・海外手数料両方が必要 店頭・ネット取引にて異なる | 特になし | 特になし |
取扱市場(銘柄数) | 香港市場 | 上海市場 | 深セン市場 |
---|---|---|---|
楽天証券 | 1260銘柄 | 286銘柄 | 取扱無し |
SBI證券 | 1320銘柄 | 取扱無し | 取扱無し |
マネックス証券 | 2000銘柄 | 取扱無し | 取扱無し |
内藤証券 | 2600銘柄 | 1050銘柄 | 1000銘柄 |
野村證券 | 230銘柄 | 取扱無し | 取扱無し |
大和証券 | 800銘柄 | 取扱無し | 取扱無し |
SMBC日興証券 | 450銘柄 | 取扱無し | 取扱無し |
各種対応比較 | 外貨決済対応 | NISA口座利用 |
---|---|---|
楽天証券 | 円決済のみ | NISA利用可能 |
SBI証券 | 外貨決済可能 | NISA利用可能 |
マネックス証券 | 外貨決済可能 | NISA利用可能 |
内藤証券 | 円決済のみ | NISA利用可能 |
野村證券 | 外貨決済可能 | NISA利用不可 |
大和証券 | 外貨決済可能 | 店頭取引のみで可 |
SMBC日興証券 | 外貨決済可能 | NISA利用可能 |
まとめ
それぞれの証券会社ごとに特色があり、得意な分野や有利な場面がそれぞれあります。
お勧めの証券会社をあげるとすると、どこか1つの証券会社にこだわるよりは、数社の証券会社に口座を開設してみて、それぞれの得意な部分を利用していけばいいのではないかと思います。
本土株を含めた様々な中国株に投資をする
上海市場や深セン市場などに投資できる証券会社は非常に限られており、上海市場に投資が出来る楽天証券と上海・深セン市場の両方に投資できる内藤証券の2社だけになります。
本土市場への投資も将来的に検討する可能性がある場合には、この2社での口座開設は必須となります。
外貨決済を利用する
日本円からの投資でなく、香港ドルなどの現地通貨で直接投資をしたほうが為替手数料などを考慮すると有利に投資を続ける事ができます。売買の度に、「円→香港ドル」「香港ドル→円」という為替取引を繰り返すよりは、「香港ドル→香港ドル」と香港ドルで直接取引を繰り返すほうが為替手数料が不要な分だけ、コストが少なくて済みます。
外貨決済ができる証券会社であるSBI証券やマネックス証券などに口座開設をしておけば外貨決済を利用する事ができます。
複数の証券会社でよい部分をそれぞれ利用していく
全ての部分を網羅していて、パーフェクトな証券会社があればいいのですが、それぞれが独自の特色を生かす戦略をとっているために、〇〇はこの証券会社が有利、△△はこの証券会社が有利、という具合にそれぞれの証券会社によって得意な分野が異なっています。
楽天証券は、上海市場にも投資が出来て手数料も安くて使い勝手が非常に良いのですが、外貨決済が出来ません。
内藤証券は、上海市場にも深セン市場にも投資が出来て、日本で一番中国株の取扱いが多いため幅広い銘柄に投資が出来ますが、その分だけ手数料が若干高めな設定であり、外貨決済が出来ません。
SBI証券は、外貨決済が出来て、中国株以外にも豊富な国々にアクセスする事ができる為、国を分散した外国株投資を行う事ができますが、中国株においては本土市場に投資が出来ません。
マネックス証券は、外貨決済が出来て、手数料も業界最安値圏であり、香港市場での投資可能銘柄数も比較的多いですが、中国株にて本土市場には投資が出来ません。
この4つの証券会社に口座を開設しておけば、それぞれのメリットやデメリットを活かしながら、その時のベストな選択が出来ると思うので、中国株に投資を検討している方は、まずはこの4つの証券会社に口座を開設して、中国株への投資に挑戦してみてくださいね。
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