レノボのIBMパソコン事業の買収

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皆さんは、レノボ(Lenovo)という中国企業をご存知でしょうか?

中国のパソコンメーカーなのですが、最近はかなり有名になっており、家電売り場にパソコンを見に行けばレノボのパソコンが置いてあると思います。

今ではそれなりに知名度もあり、大きくなっているレノボですが、私が投資をしていた2004年頃には、まだまだ無名で世界的には小さな企業でした。

今回は、そんなレノボにまつわる失敗話をしていこうと思います。

目次

レノボという企業

レノボ(Lenovo)は中国のパソコンメーカーです。中国の成長と共に力をつけていき、他国の企業を買収する事で徐々に大きくなってきました。

現在では世界的な巨大企業となっています。

パソコン出荷台数の世界シェア(2021年度)を確認してみましょう。

順位企業名シェア
1位Lenovo24.1%
2位HP21.7%
3位DELL17.4%
4位Apple8.5%
5位Acer7.1%

このようになっており、世界シェアトップに君臨している巨大企業です。

今では世界的に有名な巨大企業ですが、2004年の頃は中国においては大手のパソコンメーカーとして一定の知名度がありましたが、世界的には無名の弱小企業でした。当時の世界シェアでは10位以下となっており、完全にランキング外となっており、多くの人にとっては無名に近い存在でした。

そんなレノボが一躍有名になったのが、当時世界最大のパソコンメーカーであったIBMの買収です。

IBMのパソコン部門は、当時は世界最強のパソコンメーカーとして名を馳せており、IBMのブランドである「ThinkPad」は最高の品質とブランド力を持っていました。

ところがパソコン事業は、デル(DELL)やヒューレットパッカード(HP)の台頭と共に収益が悪化しており赤字部門となっていました。

パソコン部門を切り離して収益構造を改善しようと思っていたIBMに対して、中国企業で世界的には知名度も低いレノボが買収を提案するのです。そして、その提案は通り、知名度が皆無に近い中国メーカーが世界的知名度のあるパソコン事業を買収して、一夜にして世界第3位のパソコンメーカーへと転身するのでした。

このニュースは世界中を駆け巡り、成長著しい中国の躍進の象徴とされていました。

その後もレノボは買収を繰り返し、日本では2011年にNECのパソコン事業に66%を出資、2017年には富士通のパソコン事業に51%出資、それぞれを傘下に収めています。

NECや富士通は、日本のパソコンブランドとしてNo1、No2の売上を誇っています。その両輪はすでに中国企業の傘下に入っているのです。ブランド名をそのまま存続させているので、NECや富士通のパソコンは日本のパソコンメーカーのように思えてしまうのですが、実際にはレノボの傘下に入っているブランドとなるのです。

このようにレノボは、買収を繰り返す事で、知名度とブランド力と技術力を手に入れ、世界的な巨大企業へとのし上がっていったのでした。

レノボのIMB買収による私の失敗

私が中国株に投資を始めた2004年は、まだまだ中国は未発達な国であり、所得も消費も低く、世界的な企業などは存在していませんでした。

中国企業の名前なんて知っている人はほとんどいません。そんな状態の中で、突然経済ニュースのトップに躍り出たのがレノボです。

中国ではNo1パソコンメーカーでも世界的には無名の企業であり、中国の豊富な人口を背景にレノボの売上自体は世界10位前後とそれなりの位置にありましたが、安かろう悪かろうの代名詞のような中国メーカーが作るパソコンは全く評価されていませんでした。

それが、当時は世界最大のIT企業とも言われていたIBMのパソコン部門を買収するという事で、「小が大を飲み込む」と話題になり、経済新聞だけでなく一般のニュース番組でもレノボによるIBMのパソコン部門の買収を報道するぐらいでした。

IBMのパソコン部門は、新興PCメーカーであるデルなどに追い上げられており、パソコン部門は赤字状態でした。1億ドルもの赤字を抱えたIBMのパソコン事業を買収する事はレノボの経営的には厳しい状況になるのですが、それよりも規模のメリットや知名度・ブランド力を手に入れたいという思惑からレノボは買収を実行します。

成長著しい中国市場においては、赤字を抱えても長期的にみれば規模を拡大してブランド力を向上できる今回の買収はレノボにとってはプラスに作用すると考えた私はレノボに投資を開始します。

ところが株式市場の評価は、「レノボ売り、IBM買い」という判断でした。

IBMは赤字事業だったパソコン部門をレノボに高値で売却する事ができ、財務体質が改善出来ました。また、今回の買収の際にIBMはレノボの出資する事になっており、中国市場へのパイプが出来たことで今回の買収ではIBMは高評価されていました

一方で、レノボは多額の赤字を背負う事によって財務状態や収益性に疑問が持ち上がり、利益を確保して成長していけるのかが不安視されたことからレノボの買収行為は低評価となっていました。

私が買ってから、レノボの株価はドンドンと下がっていきます。

それでも、長期的にはレノボの知名度やブランド力の向上に繋がっていくと判断した私は、そのままレノボをホールドしていました。短期的に下がったとしても長期的には評価されるはずだと考えた私はレノボの株価が下ってもホールドを続けて、もしも買値から30%も下がったならば仕方なく損切りしようと思っていましたが、それまではレノボの未来を信じてみようと思っていました。

しかし徐々に下がっていくレノボの株価に、段々と私自身も不安になっていきます。

いつまで下落が続くのだろ(~_~;)

購入してから20%ほど株価が下った時点で私の心は折れてしまいました。

自分の判断が間違っていたかもしれないと思い直した私はレノボを売ってしまいます。

暫くは低迷していたレノボでしたが私が損切りラインとしていた30%の下落水準まで到達する事はなく、数カ月たつと株式市場の評価は、今回の買収はレノボには短期的にはマイナスの影響を与えるが長期的にはプラスに作用するという私が事前に考えていた事と同じ理由で上昇し始めます。

気が付けば、私の買値よりも上昇しており、完全に損切りしたのは失敗となりました。

リベンジも失敗

レノボへの投資で失敗した私は、再びレノボにリベンジを挑もうと心に決めていました。

規模の拡大をしたレノボは、その後も知名度の向上のために北京オリンピックのメインスポンサーに名乗りを上げるなどしてブランド力の強化を図っていました。

そんなレノボをみながら、前回のリベンジとばかりに2006年の年初に勢いよくレノボに再投資を行いました。

IBMのパソコン部門を買収したレノボは、ブランド力が向上しており、株価も前回に購入した時よりも上昇していました。

ここから更に成長すると思った私は、レノボの株を購入したのですが丁度レノボを購入した頃に、レノボの業績悪化のニュースが駆け巡ります。

私がレノボを買ったのは、前回の失敗をとり戻したいという想いが強く、レノボの業績などを詳しく調べたりはしていませんでした。なので、業績が悪化するニュースが流れても、「何とかなるだろう」とノンビリと構えていました。

「前回は我慢できずに損切りしたのだから、今回はしっかりとホールドしておこう」と心に決めていたので、ドンドンと下がっていくレノボを抱きかかえたまま下落相場に突入しました。

丁度、米国の景気悪化懸念などで世界同時株安になっており、業績不安がある企業は更に売られる展開となりました。当然、業績悪化のニュースがあったレノボは真っ先に売られていきます。

前回以上に売られ続けていくレノボ・・・。

私の買値から35%以上も下げていくという大暴落となっています。

流石に・・・怖くなって手放してしまいました(~_~)

結局、リベンジは失敗して損失を出して撤退しました。

前回の失敗をとり戻そうと意気込んで投資をしており、その思いが強いために冷静な判断が出来ておらず、業績が悪化しているのであれば素早く逃げる(損切り)という事もせずに、ただただ傷口が広がっていくのを眺めているだけでした。

リベンジという事ばかり考えていると、前回の失敗をとり戻すという事に意識が要ってしまうので、「リベンジ」や「取り戻す」という事は投資では考えない方がいいですね。

  

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