各国の株式市場には代表的な指数が存在します。各市場の平均的な動きをする指数は、その国の株式市場の動きをみるのに非常に便利なものです。日本の株式市場の代表的な指数や米国の株式市場の代表的な指数であれば、テレビのニュースなどで聞いたことがある人も多いと思います。
日本株の代表的な指数
- 日経平均株価
- TOPIX(トピックス)
米国株の代表的な指数
- ダウ平均
- S&P500
- ナスダック
でも、中国の代表的な指数って知らないよ
日本や米国の指数のように有名ではないよね
中国の株式市場の代表的な指数というと、ほとんどの方が聞いたことがないと思います。
中国の代表的な指数は、「ハンセン指数」「H株指数」「上海総合指数」「深セン総合指数」の4つになります。
今回は、そんな中国の代表的な指数を確認していこうと思います。
ハンセン指数とは
中国株の代表的な指数として、真っ先にあげられるのがハンセン指数となります。香港証券取引に上場している銘柄の中で流動性の高い上位の銘柄で構成されています。
ハンセン指数が出来たのは1964年です。その当時はイギリス領であり、香港証券取引所に上場していた企業は香港企業だけでした。なので、当初は香港企業の指数でした。
1997年になると、香港はイギリスから中国に返還される事になります。こうして香港は中国の領土となりました。これ以降、香港証券取引所に上場を行う中国企業が出てくるようになります。
もともと、イギリス領だった香港はアジアの金融拠点としての役割を果たしており、アジアの金融の中心地でもありました。外資の資金が多く集まる事から、中国企業にとっても香港証券取引所に上場して外資を取り込むことは大きなメリットがあったのです。こういう経緯から、当初は香港企業ばかりだったのが徐々に中国企業が増えていく事になるのです。
今では、ハンセン指数は中国企業が65%・香港企業が35%という割合になっており、中国株を代表する指数になっています。テンセントやアリババなどの中国が誇る世界を代表する企業が香港市場には上場しています。
1銘柄に対する最大占有率を8%までと定めており、これによりテンセントなどの超巨大企業のウェイトが大きくなり過ぎないように調整しています。現在は73銘柄(2022年時点)が構成銘柄となっており、時価総額加重平均の株価指数である。
ハンセン指数の代表的な構成銘柄
中国企業 | 中国企業 | 中国企業 | 香港企業 |
---|---|---|---|
テンセント | ペトロチャイナ | 農夫山泉 | HSBCホールディングス |
アリババ | 中国工商銀行 | 康師傅 | 長江和記実業 |
JDドットコム | 中国人寿保険 | 中国蒙牛乳業 | 恒生銀行 |
美団 | チャイナモバイル | BYD | 香港鉄路 |
H株指数(ハンセン中国企業株指数)とは
香港証券取引所に上場している中国企業の株価指数。香港市場に上場している中国企業で中国本土で登記されている企業(H株)だけの指数だったことから、H株指数とよばれています。
その後に、香港・ケイマン・バミューダなどの中国本土以外で登記している企業(レッドチップ株)も構成銘柄として加えられるようになりました。
50銘柄で構成されており、浮動株調整時価総額加重平均の指数である。ハンセン指数とは違って、香港企業は含まれていません。
H株指数の代表的な構成銘柄
構成銘柄 | |||
---|---|---|---|
テンセント | JDドットコム | 中国石油化工 | レノボグループ |
アリババ | 美団 | 中国工商銀行 | 農夫山泉 |
シャオミ | BYD | 中国人寿保険 | リーニン |
チャイナモバイル | 中国蒙牛乳業 | 中国海外発展 | ビリビリ |
上海総合指数とは
中国本土に2つある証券取引所の1つである上海証券取引所に上場している全ての銘柄(A株およびB株)で構成されている指数。中国本土株式市場の代表的な指数がこの上海総合指数である。時価総額加重平均型の株価指数となっている。
香港市場には上場していない中国企業も多く、中国を代表する上海汽車(自動車メーカー最大手)や三一重工(建設機械メーカー最大手)、貴州茅台酒(酒造メーカー最大手)などの業界最大手企業も多く上場している。
上海にある証券所なので、地理的な関係上で、上海や中国南部の企業が多く上場している。また、金融や重工業、エネルギーなどの伝統的なセクターが多く上場している。
上海総合指数の代表的案構成銘柄
構成銘柄 | |||
---|---|---|---|
上海浦東発展銀行 | 上海汽車集団 | 中青旅控股 | 内蒙古伊利実業 |
三一重工 | 北京同仁堂 | 宝山鋼鉄 | 春秋航空 |
貴州茅台酒 | 中国長江電力 | 用友網絡科技 | 中国建設 |
深セン総合指数とは
中国本土に2つある証券会社の1つである深セン証券取引所に上場している全ての銘柄(A株およびB株)で構成されている指数。時価総額加重平均型の株価指数となっている。
上海総合指数と比べると、深セン総合指数はハイテク(情報技術)やサービス産業のウエイトが大きい。新興成長企業なども多く上場している。
深セン総合指数の代表的な構成銘柄
構成銘柄 | |||
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美的集団 | 華潤三九医薬祖 | 蘇寧易購集団 | 分衆伝媒信息技術 |
珠海格力電器 | 宜賓五糧液 | 欧菲光集団 | 万達電影 |
杭州海康威視数字技術 | 順豊控股 | 雲南白薬集団 | 科大訊飛 |
まとめ
中国株には、香港市場と本土市場の2つの市場があります。
香港市場における代表的な指数は、「ハンセン指数」と「H株指数」となります。本土市場における代表的な指数は、「上海総合指数」と「深セン総合指数」になります。
中国株全体で代表的な指数としてあげられるのは「ハンセン指数」となります。中国本土で1番代表的な指数としてあげられるのが「上海指数」となります。
「ハンセン指数」と「上海指数」は経済ニュースなどでもよく出てくるので、中国株に投資をする際にはベンチマークとして確認していけばいいと思います。
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