投資をしている人であればリーマンショックという言葉を聞いたことがある人が大半だと思います。一般の方でもリーマンショックという言葉は知っている人が多いと思います。
2008年に起こった金融パニックです。経済は大きく棄損して世界中の株式市場は大暴落して大混乱となっていました。当時の私は中国株に投資をしていましたが、中国株の代表的な指数であるハンセン指数は65%もの下落をするという大暴落をしていたのです。
2004年から投資を始めた私が最初に遭遇した暴落でした。
もちろん、見事に撃沈となりました(笑)。そのリーマンショックの時の失敗談です。
順調だった投資
2004年から投資を始めた私は何度も失敗をしていましたが、好調な株式市場に助けられてトータルでは順調に投資資産を増やしていました。
100万円の元手から始めた投資資金は、投資した株が上昇して儲かっていくにつれて入金をして追加投資を繰り返し、ほとんどの貯金を投資に使うようになっており、ついには投資元本が1000万円という大きな金額を投資する様になっていました。
投資元本の1000万円は2007年には2500万円にまで増えており、投資元本から2.5倍となっており、まさに無敵状態でした。
「おれって天才かも。投資の才能があるのかもしれない」なんて事を若干本気で思ってしまうぐらい勘違いしていました。
カッコ悪い~
当時は勘違いするぐらい好調だったんだ(^_^;)
今になって、その当時のチャートをみてみると2007年に異常なほどの急上昇しているので「そりゃバブルも弾けるだろう」と思えるのですが、バブルの渦中にいると全く分からずに自分の実力だと勘違いしてしまうほど浮かれていました。
中国株の代表的な指数であるハンセン指数をみてみると、2004年から2006年ぐらいまでは緩やかな右肩上がりとなっているのですが、2007年からは急上昇しており鋭角に右肩上がりになっているのがハッキリと分かると思います。
好調過ぎる株式市場に浮かれて、その後に暗黒時代が来るなんて事は夢にも思っていませんでした。
サブプライムローン問題がやってきた
2007年は絶好調だった株式市場が、10月になるとなると突然大失速をし始めます。サブプライムローンという問題が発生したのです。
サブプライムローン問題とは、アメリカで起こった低所得者に対する過剰な融資の破綻です。
その当時のアメリカの景気は好調を維持しており、不動産価格も年々上昇していました。そして住宅の購入意欲は非常に高くなっており多くの人々が住宅を購入しようとしていました。家をローンで購入しても不動産価格が年々上昇しているから資産価値は上がっており、皆が不動産の購入に群がるようになっていました。
そしてその異常な住宅需要は、通常では融資をしないような低所得者にまで高い金利を取ってでも住宅ローンを提供する事が横行する様になってきたのです。それでも住宅価格が上昇を続けていたのであれば何とかやり繰りが出来たのですが、不動産価格の上昇は次第に鈍化していき、ついには上昇が頭打ちになりました。
そうなると住宅ローンを滞納する人々が多くなり、ローンを払えずに破綻する人々が急増する事になりました。
住宅ローンを提供していた企業は、相次ぐローンの不払い(利用者の破綻)により、不良債権が増加していき、ついには倒産する企業が続出する事になるのです。
これにより、一気に信用不安が高まり、世界中の株式市場は過剰に悲観的に反応する事となり、株価は大きく下がっていく事になるのです。
当然ながら私の投資資産もドンドンと減っていきます。
評価額が2500万円にまでなっていた私の投資資産は、100万円減少→200万円減少→500万円減少と次々と減っていく事になるのですが、それでも1000万円が2500万円と2.5倍になっていたので、「流石に元本が割れる事なんてないだろう」と甘く見ており、特に何も手を打たずに保有株をホールドし続けていました。
それだけ増えていたら元本割れはなさそうだよね
そう思うよね。私も楽観的に考えていました(^_^;)
そして、2008年になると下落の速度を更に高めていく事になるのでした・・・。
リーマンショックの発生
2007年はサブプライムローン問題によって大きく下落する事になるのですが、まさにこれは序章に過ぎなかったのです。
2008年になると経済状況は更に悪化しており、株価はますます下落の一途をたどるようになり、株価の下落は歯止めが掛からない状態となっていました。
それでも、「いずれは下落も止まるだろう」と相変わらず楽観的な姿勢を崩していませんでした。保有株をホールドし続ける事を選択していました。そのため投資資産はドンドンと減っており、2500万円あった評価額は、2000万円になり、1800万円になり、ついには1500万円とかなり減っていました。
それでも、元本は1000万円なのでまだまだ余裕があると感じながらホールドを貫いていました。
そんな時に起こった米国大手投資銀行であるリーマン・ブラザースの倒産。まさに世界中の経済は大混乱でした。
もちろん私の資産も大ダメージです。
怖くなった私は保有株を半分ほど処分してキャッシュ比率を高める事を選択します。
それでも、株式市場はまだまだ下がっていきます。リーマン・ブラザースが破綻した後も経済や株式市場は混乱を続けており、株価は更にグングンと下がっていきます。
流石に怖くなった私は更に保有株の売却を進めていき、自信がある1銘柄のみを残してそれ以外の全ての保有株を売却する事にしました。もうこの時点では狼狽しまくっており、パニック状態です。
一時は評価額で2500万円ほどあった私の保有株は1100万円にまで減ってしまっていました。
逃げるのが遅すぎるんじゃないの?
含み益が沢山あったら大丈夫だと思ったんだよ(-_-;)
この時に最後まで残していた1銘柄は、山東威高という医療機器メーカーであり、自信がある銘柄だったので最後まで売るつもりがない銘柄でした。ほとんどをキャッシュに換えても、この1銘柄のみは残していました。
最後の頼みの綱も切れ果てる
最後まで残していた山東威高という中国の医療機器メーカー。ところがこの最後の頼みの綱すら千切れてしまうのです。
この銘柄が僅か1日で30%も下落するという暴落を起こし、最後の頼みの綱も切れ果ててしまいました。
1日で30%の下落?
もう目の前が真っ暗でした(笑)
もう何も考えられなくなり、逃げるように山東威高を損切りして逃げ出してしまいます。
こうして保有株の全てを売却した私の手元に残ったキャッシュは900万円。
一時は2500万円にまで膨れ上がった投資資金は64%も減少するという大幅下落を起こし1600万円分が吹き飛んだのです。あれだけ大量にあった含み益は全て吹き飛び、しかも元本の1000万円を割り込んで100万円の損失になっていました。
オレンジの〇
リーマン・ブラザースが破綻。保有株の半分を売却。
ムラサキの〇
1銘柄のみを残して、全ての保有株を売却。
レッドの〇
最後の1銘柄も売却
最後に売却した場面は、まさにリーマンショックの大底の日であり、この日を境に中国株市場は回復に向かい始めていきます。つまりは最安値の日に狼狽売りをしてしまった事になります。
早めに手を打つ必要がある
暴落は1~2か月ぐらいで終るものではなく、長い時間をかけて下落をしていきます。時々、反発をして上昇した後に下落する事を繰り返しながら、気が付けば大きく下落している状態になります。
「株式市場は長期的にみれば右肩上がりだから暴落してもホールドを続けていればいい」と思っても、実際に暴落を体感すると非常に怖くてホールドを続けていく事は非常に難しいです。
沢山あった資産があっという間に棄損していき、気が付けば沢山の資産がなくなっていくのは本当に恐怖でしかないです。
私は暴落を甘くみて、相場が下落を続けていても最後の最後まで我慢を続けてホールドを継続していました。その結果、リーマン・ブラザーズが破綻するという最大級の爆弾が炸裂するまで動きませんでした。フルポジション(フルインベストメント)だったため、大量に被弾して大ダメージを負いました。そこから慌ててポジションを落とし始めたのですが後の祭りでした。
無理に我慢してホールドを続ける必要はないです。
株式市場が下落し始めて、少し怖いなと感じる事があれば、ポジションを少しずつ落としていく事が大切です。
怖いという気持ちをもったままで暴落に巻き込まれたら、結局は狼狽して全部を売り払う事になるのだから、そうなるぐらいであれば事前に少しずつ売却しながら様子を見ている方がいいです。
無理に下落相場に付き合う必要はなく、怖いと思えばポジションを落としながら、ノンビリと投資を楽しむぐらいが丁度よい感じなのだと思います。
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